加賀とは?

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加賀の冬

冬の訪れ

曇り空が多くなる冬

北陸の冬といえば雪。昔に比べれば積雪はずっと少なくなったとはいえ、加賀人にとっては「冬が来る=雪が降る」である。12月に入ると鈍(にび)色の冬空が現れ、一閃雷鳴とともにバラバラと霰が降ってくる。長い冬の始まりの合図だ。人も家も町も身構えて雪を待つ。しかし、いったんドカッと降ってしまえば覚悟も決まり、心が落ち着くから不思議。あとは雪と折り合いながら春の訪れをじっと待つ。

冬の味覚

野の幸 ◆だいこん、はくさい、れんこん
大根ずしは加賀ならではの味

冬、大根と白菜の漬物がうまい季節。浅漬け、ぬか漬け、各家庭の味が受け継がれている。もうひとつ、加賀の名物に「大根ずし」がある。すしとは言うが大根と身欠きニシンを麹で漬け込んだいわゆる飯(いい)ずしの一種。同様のもので金沢の正月料理「カブラずし」が有名だが、こちらは寒ブリをカブラではさんだ贅沢なもの。大根ずしは安価な材料に置きかえた庶民の伝承料理。

海の幸 ◆ズワイガニ、コウバコガニ、タラ、アンコウ、ブリ、ミズゴロク
冬の味覚の王者ズワイガニ

11月6日はカニ漁解禁。冬の味覚の王者はやっぱりカニ。加賀の橋立で揚がるカニは、隣の三国と並ぶブランド蟹。では、なぜ橋立のカニは高くて旨いのか? それは、カニの生育に最良の漁場がすぐ近くにあるから。船は沖泊りをしないため新鮮なカニが毎日セリにかけられる。三国で揚がるかの有名な越前ガニと同じ漁場。だから呼び名は違うが同じカニ。

カニの旨みを丸ごと味わうならやはり王者ズワイ。濃い旨みが身の中から湧き出るような食味は、比類がない。いっぽう、身は小さいが、内子のコクのある旨さが通好みするコウバコ。まさに香箱の字のとおり。ズワイガニの雌を加賀ではこう呼ぶ。

この時期ほとんど蟹一色になる橋立だが、冬の定番の魚も、庶民が楽しみにしているところ。タラ、アンコウは、鍋の花形。天然ブリは定置網でまとまって揚がる時がある。脂の乗りもさることながら、養殖ものとは脂の質が全然違う。この味に出会えたら幸運。

冬の風物

片野の鴨池1万羽を超える鴨が飛来する御願神事

加賀の冬は空を眺めよう。雨、雪、霙(みぞれ)、霰(あられ)。毎日、鉛色の空が続く。一日中快晴の日はまずない。晴れ間が見えでも油断は禁物、早送りのように近づく暗雲、10分ごとに天気が変わる。部屋の右窓は晴れ、左の窓は雪。午前中快晴だったのが午後から突然大雪。こんな現象も日常のこと。「弁当忘れても傘忘れるな」とは加賀地方の有名なことわざ。

北陸には「雪おこし」と呼ばれる雷がある。にわかに空が暗くなり、閃光が走ったや否や、ガリガリッ、ダーン! 天地を震わせ、轟音が鳴り響く。数回連発のあと、霰や雪が降ってくる。ブリ起こし、また雪カミナリとも呼ぶ。

1月中旬から寒さが厳しくなる。ドカ雪はしんしんと降る、真夜中に静かに降る。朝の静けさ、障子からの明り、空気の匂い、湿度。加賀人は外を見なくても、勘で積もったのがわかる。不思議だがなぜかわかる。冬のあいだ毎日のように手をやく雪、この雪解け水がやがて川へ、また伏流水となり、人々の暮らしを支えている。雪のおかげである。

大聖寺近くに鴨池がある。ラムサール条約の登録湿地で、シベリアから渡来する野鳥の越冬地。11月下旬から2月中旬の最盛期には、1万羽を超えるガンやカモ、ヒシクイ、コハクチョウが集まる。池に面する観察館では、レンジャーの解説を受けながら、望遠鏡でじっくり観察できる。

2月10日は御願神事。大聖寺の菅生石部神社の神事で、通称「竹割りまつり」とも呼ばれる。その名のとおり、厳冬の中、裸に白装束の若者たちが2mほどの青竹を叩きつけながら、無病息災と豊作を祈る奇祭。およそ200本の孟宗竹を次々と振りかざし、石畳、拝殿とところかまわず叩き割って行く。割られた青竹は、誰でも自由に持ちかえることができ、箸にすれば虫歯が治ると言われる。見物客は毎年競って持ち帰り一年の無事を祈る。1300年の歴史があり、県指定無形民俗文化財

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