VOL.11 『橋立港のズワイガニ』 T.S
ズワイガニ
加賀の橋立で揚がるズワイガニは絶品なのです。なんといっても鮮度が違います。
それはズワイガニの生息する良好の漁場に一番近いから!夜中に漁に出た船は沖泊りをせず、夕方には帰港しセリにかけられます。もちろん冷凍なんてしません!
手足を動かして今にも逃げ出しそうなほど、活きのよいカニが絨毯のように敷き詰められています。こんな光景を目にできるのは石川県を代表する橋立漁港だからこそ。テンションも知らずにあがってきます、こんな大漁のカニ…はじめて〜。



脂がのって濃厚な食感はまさにカニの王様です、茹でたての身は、まず塩味だけで何もつけずに食べるのがベスト。その後、絡みつく蟹味噌をつけて口にほおばると溢れる海の味、体が喜んで顔から笑みが自然とわいてきます。うっ!美味い!!この味に勝るもの無しです、ただただ没頭してカニを喰らいます。
少し残念なことは、味の基準が変わってしまうこと…少々のカニではいつのまにか満足できなくなっているのです。
1ハイでも手軽に手の出る金額ではないのでなかなか口にすることはできません。観光にこられるお客様から橋立のカニの話が出ると、心から羨ましいと思ってしまうほど。
石川県産のズワイに付く標識は青色、黄色はお隣の福井県だということはご存知でしたか?水揚げされた港を厳しく制限することで価値が守られているのです。
そのせいか加賀市内のスーパーでもなかなか橋立のタグをつけたカニを見つけることはできません。
そんなブランドガニでもメスの香箱はスーパーで気軽に買うことができるので、地元では人気者。通好みの味!
身は甘く、たっぷりと子をもっており、ズワイよりも香箱が好きだという人は数多くいらっしゃいます、香箱という字の如く海の香りをぎっしり詰めた箱。
体は小さいけれど、コクのある内子としゃりっとした外子、とろけるようにからみつく味噌、身、一度に色々な味を楽しむことができるお得なカニです。
捨てる所は見当たりません。茹でてよし、お吸い物によし、カニ飯にもよし冬のメニューの主役です。残念ながら香箱の漁期は1月10日まで、食べるなら今だけ!「期間限定」なんて言われるともういてもたってもいられません。
限定物に弱いのはきっと女性だけではない?ですよね?
豊かな日本海の恵みを目の当たりにできるカニ漁は冬限定の風景なのです。
(2004.12)