VOL.16 蒼蒼と広がる加賀海岸 〜海浜植物群落〜 H.S
加賀海岸
蒼蒼と広がる加賀海岸。
そこは、熱帯アジア・オーストリア、そして樺太・北海道の海浜植物と出会える海岸。
国定公園第2種特別地域に指定される塩屋海岸から片野海岸に渡る砂丘地は、延々4.2kmに及びます。
幅は、広いところで170m以上あり、汀線(海)から60mは小動物や昆虫が生息し、無植物帯です。
海から最初に現われる植物が、ネコノシタ、ハマゴウ、ハマネナシカズラです。
その次に、花の美しいハマヒルガオ、ハマベノギク、ウンラン、イソスミレが現われます。
冬は日本海の風と波しぶきに洗われ、夏は砂地の地表温度が50度に達します。
恵まれた水もなく、肥料分も殆ど無い植物にとって過酷な世界。それが、加賀海岸の砂丘地の本当の姿です。
古くは、一木一草も見られないと云われた砂漠に、私達の先達が藩政時代より砂丘地の緑化に取り組み、失敗の連続と莫大な費用を投入し、連綿と植栽を続けてきました。
この続けることが、人に叡智を生み、人の手で海浜植物群落と砂丘後背松林を造ることに繋がったのだと思います。
人工物が殆んど見えない
茫茫とした蒼い海岸
潮の香りと潮騒の音
時たま耳に届く小鳥の鳴き声
全国的にも稀な
それが、加賀海岸砂丘の植物群落です
(2005.5)
5月に見られる海浜植物
ハマヒルガオ
4〜5cmのアサガオの小さいような淡いピンクの可愛い花を咲かせます。
花時期には、海岸一体が薄いピンク色に埋め尽くされます。
日本海の夏の優しい風が吹くと風鈴のように音は出ませんがよく揺れて可愛い花です。
茎は白く強い地下を砂の中に長く伸ばします。
何かに触れると巻きつき上る性質があります。
種子は、さく果で丸く、太くて黒いです。
【分布】
ヨーロッパ、アジア、太平洋諸島の海岸砂地を好んで分布します。
(はまひるがお科 はまひるがお)
ハマウツボ
薄い黄色の太い茎に淡い紫色の花を密生させます。花柄は約2cmです。
果実は 楕円形で極めて小さな多数の種子を持ちます。
名前の由来は、花穂の形が、矢を入れる「うつぼ」に似ているところからついたと云われています。
寄生植物で、自体では光合成ができず、主にカワラヨモギの根に自体のひげねを伸ばし寄生します。
【分布】
熱帯東アジアから温帯の海岸砂地に生息します。
植物生態としてカワラヨモギに寄生するのには、何か共生関係があるのではないかと思われ、非常に興味を惹かれる植物です。
(はまうつぼ科 はまうつぼ)
お願い
この砂丘地の海浜植物たちは、あらゆる手段であつめられました。その中で、多くの種が消滅し、生き残ったのが現在の貴重な種です。どうか、このことを理解していただき、植物史、植物文化の豊かな自然保護にご協力いただきますよう、お願いいたします。