VOL.34 『山代温泉「湯の曲輪」』 M.M
加賀市山代温泉

開湯1300年の歴史を持つ山代温泉は、格調高い街並みが醸し出す温泉情緒、永きに渡り培われてきた温泉文化、周囲の緑を取り入れた潤いとやすらぎを感じられる温泉街として、与謝野晶子、泉鏡花、北大路魯山人ら文人墨客にも愛されてきました。傷を負った明智光秀が湯治に訪れた伝承もあるそうです。
とりわけ、温泉街の中心部「湯の曲輪(がわ)」は、総湯を囲むように18軒の湯宿が立ち並び、紅柄(べんがら)格子、赤瓦など、独自の街並みが形成されていきました。
明治30年以降は、北陸線の開通と馬車鉄道の完成により、湯治客が一気に増え、昭和10年頃には、その風情を「江戸時代の錦絵を見るようだ」と伝えています。
左の写真は昭和46年に建てられた現在の総湯ですが、老朽化に伴い、近年中の建替えが計画されることとなりました。
建替えにあたっては、明治・大正時代以前の建物を復元再生し、さらには隣接地での「市民向け湯」の建設、周囲の道路や建物なども含めた景観、が一体的に整備され、山代温泉の歴史・文化が感じられる魅力ある街並みへと変貌を遂げることになります。
冒頭の写真(左側)は、明治30年代の総湯です。湯上りの湯治客が手すりに腰掛け、のどかな風景を楽しむ様子がうかがえます。また右側は、その当時の「湯の曲輪」の街並みです。
なんとも、温泉情緒溢れる風景ではありませんか。
このような街並みが現代に蘇るということは、本当に楽しみです。
完成の際には、ぜひ、山代温泉にお越しいただき、浴衣姿で下駄を鳴らし、湯の曲輪を闊歩していただきたいと思います。
(2006.11)
下記と併せ、「湯の曲輪」の街並み散策をお楽しみいただける日も近い

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