VOL.36 『片山津温泉 夏花火・冬花火 』 O.M
加賀市片山津温泉柴山潟
(柴山潟での夏の花火)
夏、7月の終わりから8月の終わりにかけてのおよそ1か月間、片山津温泉では毎夜15分ほどですが、柴山潟から花火が打ち上がります。わたしの実家は片山津温泉にあり、柴山潟湖畔の湯の元公園からもほんの近いところにあるため、毎日見ることができます。もっとも、わざわざ見に行かなくても1歩表に出れば見えますし、少し旅館で隠れますが、窓を開ければ見えないこともありません。そんな風なので、この時期花火が上がるのはだんだん当たり前のような感覚になり、特にわくわくすることもなく、むしろ「今日ももうこんな時間か」ぐらいの、時報がわりのようになっていました。
毎晩打ち上がる花火のほかに、8月21日には湯のまつりに合わせて大花火大会があります。この日は、およそ1時間かけて 3,000発の花火が楽しめるため、たくさんの人が集まり、わたしも結婚して片山津温泉を離れてからも毎年欠かさず見に行っています。片山津温泉の花火のよいところは、潟で打ち上げているため水面に写る花火もまた美しく、水辺ならではの水中花火なども楽しめるという点ではないかと思います。そしてフィナーレの10号玉10連発は(以前は30連発だった)もう圧巻というほかなく、狂ったように打ち上がる大花火には感動させられ、終わった後にはどこからともなく拍手が沸き起こり、わたしもいっしょに拍手をしてしまうくらいです。
そして冬、大晦日の晩には年越しカウントダウン花火大会があります。夏の花火もいいですが、冬の花火は空が澄んでいてまたきれいといわれますが、本当にそうだと思います。みんなで5・4・3・・とカウントダウンしていき、年明けとともにドーンと花火が打ち上がると、花火の音とあけましておめでとうのあいさつとで一斉ににぎやかになります。わたしは冬の花火はここでしか見たことはありませんが、寒い空気の中ですっきりと見える花火もいいものだなと思います。
年末、今年も冬の花火を見ようと紅白歌合戦も途中に、片山津温泉へ向かいました。しかし、温泉街へ到着したものの、車は少なく人けもなく、静かで様子が違います。不思議に思いながら
も湯の元公園に向かったものの、例年ならこの時間、人・人・人でごったがえしているのに、だれもいなかったのです。仕方なく帰り、後日実家の母に聞くと、もうカウントダウン花火はやってないよとのこと。何でも柴山潟の区域が禁猟区に指定されたこともあり、飛来しているコハクチョウやカモなどの野鳥によくないので打ち上げられないとのことでした。わたしのように知らなくて、当日よそから見に来た人もきっといたのではと思います。そんなわけで今年は冬の花火は見ることができず、せっかく出かけたのにショックであり、もう見られないのかと思うと少しさびしさを感じたのでした。
(2007.1)