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VOL.38 『山代温泉と九谷焼』 H.S

加賀市山代温泉

須田菁華窯からの小路

山代温泉に生まれて三十数年。山代温泉と九谷焼の関係について考えたこともなかったのだが、今、山代温泉は「九谷焼のふるさと」として売出し中である。

 

そういえは、子供の頃に気になる場所が2ヶ所あった。 ひとつは女生水から春日神社へ行く通り、もうひとつは今は九谷焼窯跡展示館となっている辺りである。この2ヶ所はなぜか「暑い」。 子供ながらにそう思っていた。 女生水から春日神社の通りには、空き地らしき場所がありそこで遊んでいると怒られた記憶がある。 なぜ怒られたか当時は分からなかったのだが、実はそこは空き地ではなく、北大路魯山人に陶芸を教えた須田菁華(初代、現在は4代目が作陶されている。)の作業場の敷地だったのだ。

そう、なぜ暑かったのか!?それは九谷焼の窯が有りまさにそのとき“陶磁器を焼いた”からなのです。 しかも須田菁華さんは昔ながらの登り窯(薪で焼く窯)で焼かれているので、特に熱が外に伝わる。 一方、九谷焼窯跡展示館の場所も嶋田寿楽窯とういう九谷焼の窯元なのです。

 

山代温泉には町中に普通に窯元がある。今では数が少ないが、きっと昔はもっと多かったはず。 他にも私の家の近所に絵付けをされている作家さんの家(ここもよく怒られた・・・)があったり、山代温泉と九谷焼は意外なほど近くにある。 ただ、外見は一見ただの作業小屋であったり普通の家であったり、生活している住民としては何の変哲も無い風景(住宅地)でしかない。 景気の良かったときはそれほど見向きもしなかった九谷焼。

九谷焼窯跡展示館と嶋田寿楽窯 団体・歓楽型の観光が終焉を向かえ宿泊客が減る一方の山代温泉が「地域を今一度見直そう!」と取り組んだのが“九谷焼”。 今では、商店街や旅館などに九谷焼のミニギャラリーを設置したり、銀行のショーウインドウに展示したりと、少しずつですが町に新しい風景が増えてきる。 今まではそれほど気に留めなかったが、今一度足元を見直す。そこには今でも歴史や文化が息づいてる。

『 古くて新しい風景 山代温泉。』

(2007.3)

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