VOL.42 『緑のある風景』 F.D
加賀温泉郷

学生時代を金沢で過ごしたこともあって、地元に帰ってきた当時は
「買い物が不便過ぎる」「車がないと、何処にも遊びに行けない」
と、否定的なことばかり思っていました。
山代温泉の住民になって12年近くたちますが
「温泉と山しかない、ショボい田舎町」
というのが、私の山代温泉および加賀市全体の印象でした。
そのショボい田舎町を見直すきっかけになったのは、
友達との会話からでした。
都会へお嫁に行った友達と電話で話をしていた時
「・・私、ちょっと辛いかも。馴染めんかもしれん」
「どうしたん?何が辛いん?」
「何か・・・緑が見えんって、辛いわ。周り何処見ても山(が)ない。」
生活していて、毎日当たり前に見ている何気ない風景に、必ず緑か山が入り込んでいます。
全く考えたことがなかったのですが、友達のその言葉をきっかけに、意識して風景を見ることが増えました。
車でコンビニへ行くのを止め、風景を見ながら歩いて行くようにもなりました。
「路地裏を歩く」楽しみも増えました。
「温泉と山しかない、ショボい田舎町」
と思っていたのが
「温泉と緑がいっぱいの田舎町」
と、印象が変わり、「何も無い田舎」と言われても「良い所よ」と、サラッと流せるようになりました。
いつのまにか、自分の住んでいる街が好きになっていました。
「ゆっくり歩きながら、ゆったり風景を楽しむ」
あえて歩くだけの楽しみ方も、味わってみては如何でしょうか。
(2007.7)
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