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VOL.50 『旧大聖寺川の水景』 Y.K

旧大聖寺川沿い

もう1年前のことになります。地元の新聞に掲載された1枚の写真に目がとまりました。「旧大聖寺川の水景」とキャプションがついた、その写真は「映画やテレビに登場させたいこの場所」をテーマに金沢フィルムコミッションが一般から募集、映画監督の崔洋一さんが審査委員長を務めたフォトコンテストで最高賞の金賞を獲得した作品でした。撮影場所は加賀市大聖寺の市街地を流れる旧大聖寺川の川辺。金沢でもなく、能登でもなく、有名な観光地でもない、そんな風景が選ばれたことに興味を覚えたのです。

 

それから半月後の昨年4月初めに現地を訪ねてみました。そこには新聞で見た写真とはまた、違った景色が広がっていました。ゆるやかに蛇行して、ゆったりと流れる旧大聖寺川。川沿い300メートルにわたって、幅1メートルほどの白いじゅうたんを敷き詰めたように咲き誇る「ゆきやなぎ」。対岸の柳が芽をふき、満開の桜が彩りを添えていました。川の両岸には塀を巡らした民家が並び、遊歩道も整備されています。

 

このフォトコンテストの審査は、石川県以外の地方でも見られるものは避け、そこに人々の生活感があり、自然環境と共存している風景、見た目の魅力が決め手になったようです。確かに、この風景を眺めているだけで、この地域に住んでいる人々の生活や人間模様、歴史を彷彿とさせてくれます。ここでどんなストーリーが繰り広げられるのだろう。映画やテレビのロケの舞台になる日を思い浮かべてみます。

 

そしてことし、3月の初旬に再び現地を訪ねてみました。あたりはまだ、冬の装いをまとったままでしたが、早春の日差しのなか、本格的な春の足音は確実に聞こえてくるようでした。4月の声を聞くと、また、白い「ゆきやなぎ」と、緑の柳、ピンクの桜が見事なハーモニーを奏でる、あの風景が見られる季節がやってきます。そのころ、ぜひもう一度訪ねてみたい、そんな思いを強くさせてくれるお奨めのスポットです。

(2008.3)

                                          (一番下の雪柳の画像は昨年のものです。)

 

 

 

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