加賀とは?

TOP > 加賀四湯紀行 > 歳時記 > vol.12 冬らしくない、正月らしくない年明け。

vol.12 冬らしくない、正月らしくない年明け。

冬の寒さが来ない。例年なら、12月に入ると霰や霙が降り始め、本格的な冬の到来を感じさせるのだが、年の暮れまで暖かい好天が続いた。ゴゴゴ…ガリガリッ、と地響きをたてて轟く「雪雷」(能登では鰤起こしと言う)が、ほんとうに少ない。大晦日から元旦にかけて少しだけ雪模様になったが、それも一日だけ。2日には、ごらんのような晴天、初詣日和となった。なにせ寒さが続かない。いつもの朝風呂仲間のじいさんたちも、口々に「こんなええ正月はねぇ。寒うないで、ありがたいのう」と。

こんなのんびりとした温泉の日常の一方で、昨年暮れには、スマトラ沖大地震が起きた。被害拡大のニュースが、年が明けた今も毎日のように流れ、現在の犠牲者は15万人にのぼったと伝えられている。
その2ヵ月前の10月23日には、M6.8の新潟中越地震が発生した。全村が非難した山古志村の住民約1500人は、新年を仮設住宅の中で迎えた。
さらにその2日前の21日は、台風23号による豪雨被害だった。死者、行方不明者80人を出した。昨年上陸した台風は10個と過去最多で、8月から10月にかけて、5つの台風が列島各地に甚大な被害をもたらした。
そして夏は、観測記録を塗り替える猛暑だった??
ウ〜ン…、記憶が薄い。確かにそうだったはずである。
このあまりの天災の多さに、猛暑の記憶が消えてしまっている。遠い過去を探しているような感じがする。去年は、100年分の地球の変動が、1年間に集まったのだろうか。

この年末年始は、天災、殺人、テロと、30年ほど前は、それこそ一大ニュースであったような事件が、日替りメニューのように次々と映像で流れてきて、あららっ、という間に年が明けてしまった。
気候といい、世情といい、自分の身辺といい、新年らしく何かが「あらたまる」感じがどうもしない。なんで、こうもせちがらいのだろう。
家族から地域、そして国家にいたるまで、関係のあり方、そのよりどころが何なのか。一度立ち止まり、振り返り、見つめ直してみる作業が、今とても大切なことのように思う。
この年越しの時こそ、その最もよい機会のはずなのに。

皆さまの今年一年のご多幸をお祈りいたします。

(2005.1 M.O)

(写真ある服部神社の鳥居に架かるしめ縄は、今年初老の厄を迎える男衆の手でなったもの。ナイロン製の朽ちないしめ縄が多くなる中、やはり、清らかでとてもよい雰囲気があります。)

このページのトップへ