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vol.21 九谷のマイセンを夢見て・「今九谷元風窯」

2005年夏

加賀藩祖利家の孫、前田利治が金沢藩から分封したのが大聖寺藩十万石。今日ある九谷焼は、この利治が興したもの。加賀市大聖寺は、いわば九谷焼の聖地です。

9月19日、萩の寺としても知られる前田家の菩提寺・実性院で「今九谷物語展」が開催された。

今から340年の昔、山中温泉のさらに奥、雪深い九谷村で九谷焼は生まれた。

中村元風さんは語る。「古九谷を数多く見てきて、その素晴らしさと同時に、私には、造った人達の無念さが見えてきました。大聖寺藩主前田利治公や、その命を受けた陶工達は、真っ白な磁器に美しい五彩の絵付を夢見ていたに違いないと思います」「伝統は古いままを残す事ではなく、今日の技術を精一杯使い、先人たちの成し遂げられなかった想いを、今日に実現する事だと思います。それが真の伝統だと私は考えます」と。元風さんが考える「伝統」への解釈は明快。

世界中に知られるドイツの名窯「マイセン」。約300年前、白い金といわれた景徳鎮や伊万里に憧れ、果てしない情熱を傾けてヨーロッパで初めて硬質磁器を生みだした。

そして「今九谷」元風窯も、現代に受け入れられる古九谷とは何かを追い求め、「和洋融合」をテーマに日本から世界に通じる九谷焼工房を目指し作品を発表し続けている。

当日は、皇風煎茶礼式林社中によるお茶のサービスもあり、新作の白磁「雪九谷」で冷たい抹茶と、お茶請けの柿の葉寿しをいただいた。庭良し、日和良し、ティーカップの使い心地たいへん良しの一日でした。

(2005.10 M.O)

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