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vol.24 やましろ湯の曲輪(がわ)、初春のしるし。

 新年おめでとうございます。

 年末年始は、例年にない大雪と低温続きで、暖冬ボケしていた加賀人は相当こたえました。クリスマスから雪が積もったまま年越しというのも、ここしばらく記憶にありません。

 正月早々湿っぽい話になりますが、1月3日、金沢の親しい友人の家でご不幸があり、夜遅く山代に戻ってきた時のこと、「あー、やっぱり山代は湯の曲輪がかなめなんだなぁ」と、しみじみ感じたことがありました。車で町の中心にある総湯に向かって商店街を通ります。見慣れているはずの景色が、この時は積もった雪に街灯の白く味気ない光が反射して、よりいっそう寒々しく、温泉からイメージする「温もり」がまったく感じられません。「観光客もきっと同じように感じるんだろうなぁ」と暗い気分になっていたところ、いつもの総湯にさしかかったあたりから風景が一変したのです。行灯、軒先提灯の暖かみのある灯り、玄関に掛けられた家紋入り暖簾、門松、しめ飾り...。総湯を囲む老舗の旅館たちが、それぞれのしつらえで正月をあらわし、お客様を迎える顔になっている。湯を囲む町に落ち着いた空気をつくっているのです。温泉に来たことを一番感じさせるのは、やっぱり湯の曲輪なんだ。歳時記のしつらえを、旅館が協力し合って季節の折々に演出してくれるといいなぁと、ふと願った年はじめの風景でした。

(2006.1 M.O)

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