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毎月第1、第3日曜日に、山代温泉の中心、総湯前にある「はづちを楽堂」で朝市が開かれている。午前7時から8時半頃までだが、7時には町民、旅館の仲居さん、観光客で会場はいっぱいだ。山、平野、海が近接している加賀市は、まるで食材の百貨店。地元の生産者たちが、米、野菜、海の幸を持ち寄って販売している。山代名物の柿の葉寿しや、自家製の漬物、切り餅などもある。これからの季節は、みずみずしい夏野菜がどんどん出て来るでしょう。
じつは、この朝市で、一年待ったお目当てが5月から登場した。「ハタハタのこんか漬け」。写真中段がそれで、右は作っている橋立じば工房のお母さん2人。若狭では「へしこ」と呼ばれ、魚を米糠に漬け込んだ保存の効く発酵食品。一般には、サバ、イワシを使うが、ハタハタは珍しい。甘みのある米糠で、生は身が飴色に透きとおり、薄くそろばんに切ってそのままでも旨いし、軽く焼くと脂が乗っているからプクプクに焼きあがる。ハタハタ独特のアミノ酸の旨みが口の中に広がり、炊き立てのご飯ならつい何杯でもいってしまう。よく漬かった青身のサバも王道の味だが、この白身のハタハタは、また別の美味さでクセになる。6匹入って400円、ぜひお試しあれ。それから、北前巻きと名づけられた「昆布巻き」が、これまた素朴ながら絶品の味。6本入りで400円です。
このはづちを楽堂で、もうひとつ是非お勧めが、茶店の「朝ごはん」。質素ながら誠実さがひしひしと伝わってくる。地元の野菜やお米、浜揚がりの小魚、無添加の調味料や手作りの味噌などにこだわった日替りの献立で、食べたあとは、いつもホッと心が落ち着くから不思議だ。
温泉町という朝食抜きの人が多い地域の中で、お年寄りや児童に安価で安全な朝ご飯を提供しようと、65歳以上と中学生以下は年会費2千円で、通常500円を半額の250円で食べられるようになっている。今では一般の人にも口コミで広がり、朝の「はづちを茶店」は、常連さんたちの世間話が飛び交っている。夜の顔とはまた違う、ほのぼのとした温泉町の朝を、のーんびりとひと時過ごしてみてほしい。
(2006.6 M.O)