加賀とは?

TOP > 加賀四湯紀行 > 歳時記 > vol.40 『山に海に、瑞々しい初夏の風物そろう。』

vol.40 『山に海に、瑞々しい初夏の風物そろう。』

年初めの冬はほとんど雪が降らなかった。いつの間にか春になったが、今度は黄砂で霞んでばかり。そして大型連休以降もわりと天気が良かった。北陸はこんなダラーっとした気候だっただろうか。言ってみれば四季の際立ちが弱くなった。自然側の変化だけではなく、デスクワークばかりで感度が落ちてしまったこちら人間側にも大きな原因があるとは思うが、それにしても梅雨の気配も確かに遅かった。例年なら、ある日を境に光と色、空気のにおいがガラッと変わって季節の節目を教えてくれるのだが、今年は季節の「はしり」を意識して探さなければならないくらいだ。

 

心配だった梅雨入りだが、やっとこのところ梅雨らしくなりホッとしている。じめじめした毎日が心地よいといったら変な表現だが、やっと「真夏が来るぞ」とメッセージが届いたような気がする。

大型連休に植えた早苗が、見る見るのびて一面が緑の絨毯になるのが6月。このところの雨でみずみずしさが戻って、空気は水の匂いに包まれている。やっぱり日本は水の国だと感じる。特に北陸はそうだ。

 

加賀の6月は水の風景が美しい。暮らしを支える二本の川、大聖寺川と動橋川ではいっせいに鮎漁が解禁した。上流の鮎はキュウリの香りがする。魚が野菜の香りとは不思議だが本当だ。きっと清流の藻を食べているからだろう。ホタルの鑑賞ツアーも大盛況だった。海岸の断崖に咲く野生の菖蒲、雨に濡れて鮮やかなアジサイ、そして青田。蓮如伝説の青々とした笹に包まれたちまき。これで初夏の風物がようやくそろった。暑い夏があるからこそ、北陸は雪の冬が際立つ。その真夏がもうすぐやってくる。(2007.6 M.O)

 

このページのトップへ