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vol.44 『自然信仰の聖地で「第3回・加賀白山おったからまつり」』

加賀の人々が自慢する、水、米、温泉、山海の恵みはすべて、霊峰白山があればこそ。この祭りは、加賀白山地区に継承されてきた素晴らしい伝統芸能や食文化を見つめなおし、気づき、後世に伝えたいとの願いから生まれた。思いを同じにする地域の若者達が中心となって手弁当で汗をかき、回を重ねている。

第一回目は山代温泉、第二回は山中温泉、そして三回目となる今年は粟津温泉を主会場に開催された。右の写真を見ていただくと分かるが、今年の会場は温泉街だけではなく「那谷寺」(なたでら)も会場となった。粟津温泉と那谷寺はとても白山と縁が深い。「越の大徳」と呼ばれた泰澄大師は、養老元年(717)福井の平泉寺より初めて白山をきわめた開山の祖。山頂で修行を続けた泰澄が夢枕のお告げにより、山を降り発見したのが粟津温泉であり、自ら十二面観音を彫り岩窟内に安置したのが「岩屋寺」すなわち那谷寺の起こりとなっている。

粟津温泉と那谷寺が近いこともあり、昼は粟津温泉で、夜は那谷寺で、加賀白山地域に受け継がれてきた伝統芸能や郷土の食彩市

が繰り広げられた。

今回の目玉はなんと言っても那谷寺の夜間特別公開。奇岩と森に囲まれた境内、点在する伽藍がライトアップされ幽玄境が出現した。10日間のロングランで公開したのだが、那谷寺の知名度もあり予想以上の拝観者で賑わった。あちこちで三脚を立てる写真愛好家の数にも驚いたが、期間中には、山代温泉に宿泊していた台湾のお客さま30名や、ついにはアフリカのザイール?からも20名の来場があった(ついに地球の裏側まで伝わったか!)。じつは、小松市国際交流協会さんのJICAアフリカ仏語圏研修生の皆さんだそうで、日本を象徴する風景に興味を持ち寒い夜に訪れてくれたことは本当に嬉しい。加賀市を拠点に民間での国際交流活動を行なっている「たぶんかネット加賀」事務局のルロワ東出さんが今回のイベントに以下のようなコメントを寄せてくれた。

 

国際交流にかかわるすべての人が言うことがあります。「外国と、外国人とかかわることで日本を知った。日本を知らないことを知った。」それこそが、何かとかかわることの醍醐味。
ソクラテスも言っていますよね。「無知の知」

それがどうして「那谷寺のライトアップ」かというと、日本の美が、際立つのです。谷崎潤一郎にも語られる「陰翳禮讚」の世界、自然を切り取り、手入れしながらも、自然を残す日本の庭、刻一刻と変わる時までも芸術にするその心、などなど。はぁ〜日本もすごい!って思う瞬間です。

 

この気づきは、来場した多くの人が共通して感じたことだろう。そこで来年はぜひ、紅葉に染まる11月の夜に開催してほしいと思う。

(2007.10 M.O)

 

 

 

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