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九谷焼のふる里

古九谷焼から再興九谷の逸品が揃う

九谷焼美術館

鮮やかな五彩で知られる九谷焼は日本を代表する焼き物の一つである。その九谷焼を産み、育んだふるさと・加賀市に平成14年4月「石川県九谷焼美術館」がオープンした。今なおベールに包まれた古九谷から、再興九谷、そして現代九谷へと、その変遷が名品を鑑賞しながら学べる仕組みになっている。

「九谷焼美術館」は加賀市大聖寺の山ノ下寺院群に程近い「古九谷の杜公園」に隣接して建てられた。目の前に四季を彩る花や樹木に包まれた公園が広がる。起伏に富んだ園内には水路が巡らされ、水に親しみながら散策できるのが特徴だ。
その一角に建設された「九谷焼美術館」は、ひとつひとつの作品との出会いを大切にした九谷焼専門美術館で、その様式に応じて、青手、色絵、赤絵の各展示室を回廊式に配置。ゆったりと歩きながら鑑賞できるだけでなく、全国の美術館で所蔵する古九谷の名品など約200点を高精細デジタルデータで紹介するコーナーも設けられている。

九谷焼の歴史を探る

古九谷色絵孔雀図平鉢(文化財)

「九谷焼」発祥の地である山中町と加賀市はかつて同一の江沼郡であり、江戸時代は同じ大聖寺藩領だった。「古九谷」が廃絶後、大聖寺の豪商「吉田屋伝右衛門」によって、文政6年(1823年)山中町九谷で再興された九谷焼は、わずか2年足らずで山代に移される。再興された窯は「吉田屋窯」と呼ばれ古九谷と並ぶ名品として高い評価を受け、以後「宮本屋窯」⇒「藩営九谷本窯」⇒「民営九谷本窯」⇒「九谷陶器会社」⇒九谷陶器本社」⇒「大蔵寿楽窯」⇒「嶋田寿楽窯」と受け継がれ現在に及んでいる。九谷焼はこの地を中心として連綿と受け継がれ数々の名品が生み出された。

希代の芸術家・魯山人ゆかりの窯を訪れる

須田菁華窯

山代温泉には手で土をもみ、足で蹴ってロクロをまわし、薪で窯を焚く、という古九谷以来の手作りの工法を守り続けている窯元がある。「須田菁華窯」である。「九谷美陶園」から温泉街を15分ほど歩くと、「菁華窯」に着く。長い歴史を感じさせる店構え。店内は畳敷きで、伝統を守りつつ現代的な色合いを加えた湯飲みや小皿などの食器が並ぶ。
店の入口に掲げられた大きな看板は、料理人であり、陶芸家でも知られる、あの北大路魯山人が彫ったものだ。魯山人が山代温泉に滞在した折、焼き物を本格的に学んだのがこの「菁華窯」で、陶芸家・魯山人としての原点でもある。

旅のみやげに九谷焼を

九谷焼のふる里・加賀市にはこの他にもいくつもの窯元や工房がある。土産品店には必ずといっていいほど九谷焼が並ぶ。市内を貫く国道8号線沿いには九谷焼を扱う大きなドライブインが連なる。価格はそれこそピンからキリまでだが、目的や用途に合わせて品定めするのも旅の楽しみのひとつだ。

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