太田篤志「Re Cast - Re Form」展 ~加賀依緑園~
加賀依緑園 6月企画展
2026年3月に金沢美術工芸大学美術工芸学部を卒業し、同4月からは大学院修士課程へ進学し、金工作家として活動する太田篤志氏の個展を縁煌/加賀依緑園(加賀市)にて開催いたします。本展では、ブロンズなどの金属に着色技法などを用いて立体作品15~20点を出展いたします。この機会にぜひご高覧賜りますようご案内申し上げます。
本展「Re Cast / Re Form」では、自分の中にある理想像を起点としながらも、その理想が制作の中で生じる自然現象や偶発的な形態によって変化し、更新されていく過程を扱います。当初思い描いていた像は、制作の中で現れる予期しない流れや重なりによって押し上げられ、より強いかたちへと変わっていきます。そうして生まれる作品は、ひとつの完成に閉じることなく、空間の中でなお拡張し続ける可能性を含んだ存在として立ち上がります。
本展では、理想を求める意志と、それを超えて現れてくる現象とのあいだにある緊張関係を通して、像が生成されていくあり方を提示します。私は普段、大学で鋳金を学びながら制作を行っています。鋳金とは、金属を高温で溶かし、型に流し込むことでかたちを得る技法ですが、その過程には、制御しきれない揺らぎや、素材と時間の作用によって立ち上がる予測不能な現象が含まれています。私にとって制作とは、あらかじめ頭の中にある完成像をそのまま再現することではなく、そうした現象に押し返され、押し上げられながら、当初の理想そのものが変化していく運動です。そこでは、最初に思い描いていた理想像よりも、制作の中で立ち上がってきた像の方が、より強く、より切実なものとして現れることがあります。大学院への進学は、そうした制作のあり方をあらためて見つめ直す契機にもなりました。これまで積み重ねてきた技術や感覚を引き受けながらも、それらを一度組み替え、自分の表現や制作への向き合い方そのものを、もう一度つくり直していく必要を強く感じています。
展覧会タイトルの「Re Cast / Re Form」には、鋳造という行為だけでなく、像のあり方、制作の構造、そして自分自身の表現をあらためて捉え直し、更新していくという意味を込めています。本展で立ち上がる像は、ひとつの完成として閉じるものではなく、空間がある限りなお先へと広がり続ける可能性を含んでいます。それは、理想が一度定まって終わるものではなく、現象との衝突のなかで何度でも更新され、より強い像へと変化し続けることの表れでもあります。本展は、そうした終わりのない生成の只中にある像を提示する試みです。(太田篤志)
■プロフィール
太田 篤志(おおた あつし)
【略歴】
2002年 愛知県出身
2026年 金沢美術工芸大学 美術工芸学部 卒業
2026年 金沢美術工芸大学大学院 修士課程 入学
現在、金沢美術工芸大学大学院 修士課程1年 在学中
【受賞・入選歴】
2023年 第79回金沢市工芸展 入選
2024年 第80回金沢市工芸展 入選
2026年 ヴァン クリーフ&アーペル デザイン スカラーシップ 受賞
(文章と画像:加賀依緑園 提供)
基本情報
- 開催期間
- 2026年6月17日(水)~7月15日(水)
- 開催時間
- 10:00~18:00(入館は17:30まで)
- 開催場所
- 加賀依緑園
- 住所
- 石川県加賀市山中温泉南町ロ87番地1
- 電話番号
- 0761-71-2683(加賀依緑園)
- 入場料
- 一般600円、団体(20名以上)490円 ※高校生以下・障がい者は無料
- 休業日
- 木曜日
※祝日の場合
開館する - アクセス
- 加賀温泉駅から加賀周遊バス キャンバス山まわり線 → 19 山中温泉 菊の湯・山中座バス停から約400m
加賀温泉駅から北鉄加賀バス 温泉山中線(2番のりば) → 山中温泉バスターミナルバス停から約850m
加賀温泉駅から北鉄加賀バス 温泉山中線 栢野行き(2番のりば) → こおろぎ橋バス停から約50m
加賀温泉駅から約11km
北陸自動車道 片山津ICから約16.2km
北陸自動車道 加賀ICから約12.5km - 公式サイト
- 関連リンク




































